資料館ミニ特別展示「いま後世に伝えたい日本人・兵庫県出身者 樋口季一郎陸軍中将」を開催中

昨年から、鶉野飛行場資料館では、鶉野飛行場に関する史実を伝えていくことに加え、より多角的な視点で理解を深めていただけるよう工夫を凝らした展示を実施しています。今回テーマに取り上げるのは、兵庫県出身の樋口季一郎陸軍中将です。

「断乎反撃に転じ、上陸軍を粉砕せよ!」。昭和20年8月18日未明、終戦になったにもかかわらず、千島列島の最北端・占守島に火事場泥棒のごとく突如侵攻してきたソ連軍に対し、第五方面軍司令官であった樋口季一郎陸軍中将(兵庫県出身)はそう命令します。ソ連の最高指導者・スターリンの野望は、北海道を占領し、日本を分断することだったのです。帝国陸軍きってのロシア通であった樋口中将の決断と、自分の命を引きかえに敢然と立ち向かった占守島守備隊の奮闘がなければ、現在の日本はどうなっていたでしょうか。
また、こうした決断や行動の背景には、必ずその人物の人格が影響しています。ユダヤ難民救出、アッツ島玉砕、キスカ島撤退、占守島の戦い・・・樋口中将たちの人物像にも光を当てていきます。

我が国を取り巻く安全保障環境は厳しくなっています。先人の事績をたどりながら、いまを生きる私たちは、そして日本は、どうあるべきか?を考える一助になればと思います。